今朝、東京町田市の「中学給食」問題のニュースが目に止まりました。
私はこのことをまったく知らなかったので、大変興味深く記事を読みました。簡単に話をまとめてみますね。
- 町田市は2005年に給食を「お弁当」か「デリバリー(給食)」かを選択できる方式を開始
- でも現実はほとんどの生徒が弁当かパンなどを買ってくる
- 理由はデリバリー食が「美味しくない」、「冷たい」、「量が決まっている」など
- その他、「ほかの子が弁当なのに、自分だけデリバリーを食べるのはちょっと…」という心理面での抵抗もある
そして「町田市の中学生に、小学校と同様のクオリティーの全員給食を」という署名活動が行われ、署名は2万3168筆、集まったとのこと。
にもかかわらず、町田市議会の文教社会委員会8人中、賛成が2人、反対6人で「不採択とすべきもの」となりました。
私は食べ歩きが趣味な人間なので、おいしくないもの&冷たいものを成長期の子供に与えるのは賛成しかねます。食事って楽しいし、音楽や絵画と同様に情緒を育てるものだと思うからです。あと私自身、小学校の時は給食が苦手で先生に無理やり食べさせられたトラウマも少し残っていたり(涙)。
ただ、次の意見には少々驚きました。
~2子を育てる自民党の女性議員~

私は毎朝5時に起きてお弁当を作っている。それは自分が作りたいから。全員給食は、お弁当を作りたいお母さんの気持ちを否定している
~保守の会の男性議員~
.png)
私も半年間子どもの弁当を作ったことがある。確かに大変。しかし親だから子どもに食べさせるのは当たり前。『学校給食で栄養を補う』なんて、そんなにあなたは手抜きをしているんですか? 学校給食がなくても、自分の家できちっとした食事を作って食べさせれば、栄養不足なんてことはない。専業主婦の家庭まで全部学校給食(に頼るの)は手抜きですよ
ブログに書いても、頭がくらくらしてきました(笑)。
「お弁当を作りたいお母さんの気持ち」、「学校給食は手抜き」という価値観で話されています。最初の女性はご自身でも話されていますよね、「自分が作りたいから」と。そう、自分の気持ちなんですよ…。もちろん、お母さんだけではなく、冷たいお弁当よりはお母さん(あるいはお父さん)が愛情込めて作ったお弁当のほうが嬉しいと思う子供は多いでしょう。私が子供だとしてもきっとそう感じるはず。
ただ、お二人の意見にはどこか「丁寧に暮らしている私」、「頑張ってお弁当を作っている私」の価値観に反するもの→給食につながっているのではと感じてしまいました(だから「手抜き」という言葉が出てくる)。
手抜きはそんなに悪いこと?
この記事を読んだときに私の頭に浮かんだのが、以前テレビで紹介されていた家事代行サービス「WASH&FOLD」を立ち上げた山崎美香さんです。たしかテレビでは「日本のお母さんは何でも自分でしすぎ」とお話しされていたと記憶しています。
テレビの紹介より、ラジオに出演されたときのインタビューが彼女のストーリーを物語っていますので、リンク貼っておきますね。

洗濯物を折りたたんで自宅まで届けてくれる
WASH&FOLDは文字通り、洗濯をした後、折りたたんでくれるサービスです。しかも配達までしてくれるという、ワーキングマザーでなくても独身男性にもありがたいコインランドリー。
その分、手数料は高めですが、何よりそのために取られていた時間をほかのことに使えるし、私は何と言っても家事は必ず自分でしなければならない、という価値観を変えたところにこのサービスの価値はあると思っています。
丁寧もいい、身軽もいい、ただ選択できる世の中になってほしい
冒頭記事の後半部分では財源の問題にも触れています。この中学給食制度が財源的に厳しければ、それは不採択でもいいと私は思います。
あと基本的に私はお弁当を作り続けている主婦、主夫の方は本当に偉いと思っています。頭が上がりません。以前、読んだこの本にも感動したくらいです。
ただ自分が同じ立場(=中学生の親)になった場合はとても毎日お弁当を作り続けられるとは思いません(笑)。たまには作ってあげてもいいかな、と思う程度です。^^
そういう身軽思考な人間を「丁寧」という言葉の反対概念としてとらえてほしくはないなと思います。「丁寧」ってきれいな言葉ですけれど、相手に強要した時点で別のものに変わってしまう気が…。以前、mixiで「ていねいな暮らし」をテーマにしたコミュニティに参加していましたが、テーマとは裏腹で何だかギスギスしていて怖くなって退会しました(笑)。
家事が苦手な人もOK、自分でいちから丁寧に行いたい人もOK。そんなどちらも認められる社会になってほしいというのが私の望みです。